Last Updated on 6月 14, 2026 by cometeJP_gk

- 夕張といえばメロンですが、実は色々グルメなお店があることを知っていますか。
- 前回紹介したご当地グルメの「カレー蕎麦」に加えて、もうひとつのおすすめなグルメとして、夕張町内にある「小倉屋ぱんぢゅう店」のぱんじゅうを紹介します。
- 「小倉屋ぱんぢゅう店」は、夕張町若菜地区の商店街に小さな看板と、香ばしい甘い香りがする古い老舗の和菓子店です。
- ガラス越しに見える鉄板、そして凛とした佇まいの女性店主——この場所には、夕張の炭鉱時代から受け継がれてきた時間が、今もそのまま流れていました。
- この記事では、夕張町にある老舗、創業70年以上のぱんぢゅう店の味などについてご紹介します
○夕張町の栗下食堂のカレー蕎麦についての記事
目次
「ぱんじゅう」って何?知っているようで知らない夕張名物

「ぱんじゅう」とは、一度聞いたら忘れられない、不思議な名前のお菓子です。
その正体は、パンのように焼いて仕上げるまんじゅう。
「パン」と「まんじゅう」を組み合わせた造語で、たこ焼きに似た専用の型に生地を流し込み、中にこしあんをたっぷり詰めて焼き上げます。
外見はぽってりとしたドーム型。
ただしここ小倉屋のぱんぢゅうには、ほかにはない特徴があります。
「ミミ」と呼ばれる四角い端の部分がついているのです。
かつては切り取って販売していたそうですが、常連客の「そこが美味しいんだから」という声で今の形になったとか。
このミミ部分がサクッとした食感を生み出す秘密でもあります。
ぱんじゅうは北海道では小樽が有名ですが、小倉屋のぱんじゅうは小樽のものとは違い、ミミがついて、土台部分がふっくらやわらかなお焼き。
店主の沼さん自身も「小樽とは違う」と自信を持って語る、夕張独自のスタイルです。
また、小樽のぱんじゅうは、「じ」であり、夕張のぱんぢゅうは、「ぢ」を使っている違いがあります。
まんじゅうは漢字で表すと「饅頭」饅まん・頭じゅう。
あらためて考えると、なぜ「頭」という漢字を「じゅう」と読むのか?
これは漢字の発祥の地・中国の長い歴史の中で発音が変化した痕跡が日本に残っているからです。
大まかに漢字には音読みと訓読みがあり、中国の発音を反映しているのが「音読み」。
そして、音読みも中国から日本に伝わった順に、呉音→漢音→唐宋音があります。
「頭」の呉音は「ず」、漢音は「とう」、そして唐宋音が「ぢゅう」。
饅頭の頭は元来は「ぢゅう」という仮名遣いだったものが、太平洋戦争後の現代仮名遣いでは「じゅう」と表されるようになりました。
したがって、現在では「ぱんじゅう」が原則だけれども、懐旧的に「ぱんぢゅう」もありということなのかもしれません。
小倉屋ぱんぢゅう店の歴史——炭鉱の街が育んだ70年以上の味
戦後間もない1950年(昭和25年)から続く老舗のぱんぢゅう専門店。
創業から現在まで、変わらぬ製法と味を守り続けています。
店の歴史はひとりの先代から始まりました。
先代は職人気質で、数カ月にわたり習いに通っても作り方を教えてくれることはなかったといいます。
先代の生地づくりは完全に目分量。
どんぶりでザッとすくって調合するやり方で、現在の店主・沼さんはそのどんぶりの容量を後から計るなど、少しずつ技を習得していったそうです。
焼きの練習もほとんどさせてもらえず、閉店時間になってやっと許される機会が何度かあっただけ。
しかもただ焼くだけでアドバイスは一切なし。それを持ち帰り、何がダメなのか、どう改善すればよいのかを研究する日々が続いたとのこと。
先代が体調を崩したとき、「この味を残したい」という一心で店を引き継いだのが、現在の沼直子さんです。
炭鉱が閉山し、街の財政が破綻しても、このぱんぢゅうだけは変わらずここにあり続けました。
店主・沼直子さんが守り続けるもの
80歳近くになった今も、定休日として設定している日はなく、「病院に行くとき」と「パーマをあてにいくとき」はちょっと遅く開店するという沼さん。
実際にお会いすると、その凛とした立ち居振る舞いに思わず背筋が伸びます。
かといって近寄りがたいわけではなく、話しかければ夕張の昔話をいきいきと語ってくれる、明るくチャーミングな女性です。
最大の悩みは道具の劣化。
前店主から受け継いだ銅板をずっとそのまま使い続けており、同じものを作れる職人さんも見つからないそうです。
また、跡継ぎもいないことから、沼さんの代で小倉屋ぱんじゅう店は終わりになるかもしれないという話もあります。
だからこそ、「一度は食べに行きたい」と全国からファンが訪れるのです。
店内の様子——昭和の空気がそのまま残る空間
10人入れば満員の小さな店ですが、中に入ると温かな空気が広がります。
テーブル席がいくつかあり、腰を下ろすとおばちゃんが麦茶をサービスしてくれるのが小倉屋流のおもてなし。
注文してから焼き上がるまで、ひとつひとつ丁寧に焼くので焼き上がりまでに約20分かかるのですが、その待ち時間が苦にならないのは、沼さんとの会話があるからです。
鉄板の前に立つ沼さんの手さばきを眺めているだけで、時間はあっという間に過ぎます。
店内は「雑多」という言葉がよく似合う、昭和の生活感そのまま。
整然と並んだインテリアとは無縁の、使い込まれた道具と手書きのメモ。
そのすべてが長年の歴史を物語っています。インスタ映えとは対極にある、本物の空気感がここにはあります。
また、焼いている様子を眺めながらお茶をいただいているうちに、10個、20個と買う人は当たり前で、中には50個という方も珍しくないという話もうなずけます。
お土産に大量買いするリピーターが後を絶ちません。
メニューと基本情報
メニュー
小倉屋のメニューは、潔いほどシンプルです。
| 商品 | 内容 | 価格(参考) |
|---|---|---|
| 名代ぱんじゅう | こしあん入り、ミミ付き | 1個 約90円〜 |
メニューはぱんじゅう1種類のみ。
余計なものは何もない。それがこの店の哲学です。
まら、あんこはこしあんのみ。
さわやかな甘さのこしあんを包む皮は、もっちりとしたほのかな卵風味で、甘さは控えめ。
すべて自家製であんこもかつてはすべて手作りだったそうですが、近年ではあんこだけ人手不足より、ぱんぢゅう店の味付け通りに業者に作ってもらったものを使用しているようです。
子どもからお年寄りまで食べやすい、やさしい味わいです。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 店名 | 小倉屋ぱんじゅう店(小倉屋ぱんぢゅう店) |
| 住所 | 北海道夕張市若菜10 |
| 電話 | 0123-56-5752 |
| 営業時間 | 10:00〜17:00(早仕舞いあり) |
| 定休日 | 不定休(事前に電話確認を推奨) |
| 駐車場 | なし(周辺に路駐スペースあり) |
| 席 | イートインあり(テーブル席) |
⚠️ 注意: 営業時間は変動することがあります。また、一度に焼ける数が決まっているため、繁忙期は特に待ち時間が発生します。予約もできるので、こちらを目当てに行かれる際は事前に電話することをおすすめします。
実食レポート——外カリッ、中フワッの至福のひと口

焼き上がったぱんぢゅうは、その場で熱々で食べるのがおすすめ。
焼きあがったぱんぢゅうを手に取った瞬間、ほんのり温かさが伝わってきます。
一口かじると外はカリッ、中は小樽のぱんじゅうと違い、土台の小麦部分があるため、フワッとした食感が多いです。
この食感の二重奏が、想像以上の満足感をもたらします。
サイズは小ぶりで食べやすく、ひとつ食べ終わる頃にはもう次が食べたくなっている。
気づけば3個、4個たべれてしまいます。
また、ぎっしり餡子が入っているものの、甘さは控えめで、こしあんの上品な風味とほのかな卵の風味を纏った生地がよく合います。
後味がさっぱりしているので、いくつでも食べられてしまうのが少し困ります(笑)。
そして、「ミミ」の部分は特別です。
本体のフワッとした食感とは異なるカリッとした歯ざわりがあり、ここをとっておいて最後に食べるという常連さんもいるほどらしいです。「そこが美味しいんだから切り取らないで」と言った昔の常連さんの気持ちが、食べてみれば完全に理解できます。
持ち帰りも可能ですが、断然おすすめはその場で焼きたてを食べること。冷めてもおいしいとはいえ、あの焼き立ての香りと温もりはここでしか体験できません。
口コミまとめ——リピーターが語る「また行きたい」理由
食べログ・Retty・じゃらんなど各グルメサイトに寄せられた声をまとめました。
⭐⭐⭐⭐⭐「夕張に来るたびに必ず寄ります」
夕張に来たら絶対外せない場所。焼きたてのぱんぢゅうを沼さんのお話を聞きながらいただく時間が最高。メロンだけじゃない夕張の魅力がここにあります。
⭐⭐⭐⭐⭐「北海道通を自称するなら食べておくべき」
何度も北海道に来ていたのに知らなかった。ぱんぢゅうを初めて食べたとき、「なぜもっと早く来なかったのか」と思いました。小樽のとは全然違う、夕張だけの味です。
⭐⭐⭐⭐⭐「地元出身者として誇りに思う味」
夕張で生まれ育ちました。小さい頃からここのぱんぢゅうを食べてきて、今でも帰省するたびに必ず寄ります。食べた瞬間に「おかえり」と言われる気がする味です。
⭐⭐⭐⭐⭐「沼さんとの会話込みでごちそう」
お茶をいただきながら、焼き上がるのを待つ時間がすでにごちそう。沼さんの話がとにかく面白くて、気づいたら1時間近く話していました。
⭐⭐⭐⭐☆「事前に電話してから行くのが正解」
行ったら臨時休業で食べられなかった経験があります。次回はしっかり電話してから行き、焼きたてを満喫できました。不定休なので電話は必須です。
アクセス・ドライブルートのご提案
車でのアクセス
札幌市内から小倉屋ぱんぢゅう店までは、道央道を経由して約1時間〜1時間20分。
夕張ICで降りてそのまま向かえばアクセスしやすいです。
おすすめドライブルート
【日帰りドライブモデルコース】
札幌出発
↓(約1時間)
夕張メロン購入・観光
↓(10分)
小倉屋ぱんぢゅう店でぱんぢゅうを堪能
↓(5分)
「幸せの黄色いハンカチ」ロケ地スポット観光
↓(約1時間20分)
札幌帰着
幸せの黄色いハンカチのロケ地近くにあるぱんじゅう屋さんでもあるため、映画ファンにも合わせて立ち寄りやすい立地です。
公共交通でのアクセス: 路線バスの場合は若菜市街のバス停前にありますが、JRの場合は鹿ノ谷駅から約2km歩く</cite>ことになります。車でのアクセスが便利です。
夕張ドライブをもっと楽しむための関連アイテム
小倉屋ぱんぢゅうを目当てに夕張へドライブするなら、こんなアイテムを揃えておくとより快適に楽しめます。
🚗 ドライブ・車中グッズ
① 車用保温バッグ(ソフトクーラーボックス)
ぱんじゅうをお土産に大量購入して持ち帰るときに大活躍。焼きたての温かさをある程度キープしながら運べます。
メロンのお土産にも使えて一石二鳥。
② ドライブレコーダー
夕張の山道・紅葉・雪景色は絶景ポイントが多い。
北海道の四季の風景をドライブ映像として記録しておくのがおすすめです。
📚 北海道グルメ・ドライブ関連書籍
③ 北海道ドライブガイドブック
夕張以外にも、道内の知られざるグルメスポットを発掘する旅に使えます。
ドライブ計画を立てるのが楽しくなる一冊を。
🍡 あんこ・和菓子を自宅でも楽しむ
④ 北海道産こしあん・粒あん(お取り寄せ)
小倉屋のぱんじゅうの感動をおうちでも再現したくなったら。
北海道十勝産の小豆を使ったあんこは、ぱんじゅうとの共通の”ルーツ”を感じさせてくれます。
⑤ たこ焼き器(ぱんじゅう風自作にも使える)
ぱんじゅうの型はたこ焼き型に近い構造。
市販のたこ焼き器でぱんじゅう風のお菓子に挑戦してみるのもアリです。
ホームパーティーでも盛り上がります。
まとめ:ぱんじゅうは夕張が誇る「生きた文化財」
小倉屋ぱんじゅう店は、単なるグルメスポットではありません。
炭鉱で栄え、閉山を経験し、財政破綻をも乗り越えてきた夕張という街の生きた記憶が、このぱんじゅうひとつに詰まっています。
沼直子さんが守り続ける鉄板と製法、そして変わらない味——それはもはや「生きた文化財」と呼んでも過言ではないでしょう。
北海道をドライブするなら、メロンだけで夕張を通り過ぎてはもったいない。
若菜の商店街に車を停めて、沼さんのぱんじゅうをぜひ味わってみてください。
焼き上がりを待つ20分間に交わす会話、香ばしい甘い香り、そして一口かじった瞬間の外カリ中フワの食感——そのすべてが、きっとあなたの「また行きたい北海道の味」になるはずです。
📍 店舗情報まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 店名 | 小倉屋ぱんじゅう店 |
| 住所 | 北海道夕張市若菜10 |
| 電話 | 0123-56-5752 |
| 営業時間 | 10:00〜17:00(早仕舞いあり) |
| 定休日 | 不定休(要事前確認) |
| アクセス | 夕張ICより車で約10分 |
※本記事の店舗情報は執筆時点のものです。営業時間・定休日は変更になる場合がありますので、訪問前に必ず電話でご確認ください。


